Webデザインで大切にしていること。見た目だけではなく、伝わるWebサイトをつくる
もちろん、見た目を整えることもWebデザイナーの大切な仕事です。
ただ、私自身はWebデザインを、単純に「見た目をつくる仕事」だとは考えていません。
誰に向けたWebサイトなのか。
何を伝えたいのか。
ユーザーにどんな行動をしてほしいのか。
そのためには、どの情報をどの順番で見せればいいのか。
そうしたことを考えたうえで、色や写真、文字、レイアウトなどを組み合わせて、一つのWebサイトとして形にしていく。
私にとってWebデザインとは、「伝えたいことを、伝わる形にする仕事」です。

デザインを始める前に考えること
デザインの依頼をいただいたとき、いきなりPhotoshopやFigmaを開いてデザインを始めることはありません。
まず、そのWebサイトが何のために必要なのかを考えます。
例えば企業サイトであれば、会社の情報を掲載するだけが目的ではないかもしれません。
新しい顧客に会社を知ってもらいたい。
サービスへの問い合わせを増やしたい。
採用応募につなげたい。
既存顧客に安心感を持ってもらいたい。
目的によって、必要なデザインは変わります。
同じ「企業サイト」でも、目的が違えば、トップページで強調する情報も、ボタンの配置も、写真の見せ方も変わってきます。
そのため、まずは「何を作るか」よりも、「なぜ作るのか」を考えるところから始めます。
ヒアリングからデザインを考える
クライアントとのヒアリングでは、デザインに関する希望だけを聞いているわけではありません。
「かっこいいサイトにしたい」
「シンプルなデザインがいい」
「他社とは違う雰囲気にしたい」
こうした希望ももちろん大切です。
ただ、その言葉だけを受け取ってデザインを作ると、イメージの違いが起こることがあります。
そのため、私はできるだけ具体的な情報を整理するようにしています。
どんな会社なのか。
どんなサービスを提供しているのか。
どんなお客様が利用しているのか。
競合にはどのような会社があるのか。
会社やサービスの強みは何なのか。
逆に、現在感じている課題は何なのか。
こうした情報を整理していくことで、「どんなデザインにするべきか」が少しずつ見えてきます。
デザインは、最初から答えが決まっているものではありません。
情報を整理することで、デザインの方向性を見つけていく。
私はそう考えています。
「きれい」だけでは足りない
Webサイトのデザインでは、見た目の美しさはもちろん重要です。
ただ、きれいにまとまっているだけでは、Webサイトとして十分とは言えません。
例えば、サービスの魅力が一番上手く伝わる場所に情報がなかったり、重要なボタンが見つけにくかったりすれば、どれだけ美しいデザインでも目的を達成できません。
Webサイトを見る人は、必ずしもページを隅々まで読んでくれるわけではありません。
必要な情報を探しながら、ページをスクロールしていきます。
だからこそ、
「最初に何を見せるか」
「次に何を伝えるか」
「どこで興味を持ってもらうか」
「どこで問い合わせにつなげるか」
といった情報の流れを考える必要があります。
私はデザインをするとき、一枚の画像を作るような感覚ではなく、一つの体験を設計するような感覚で考えています。
レイアウトには理由がある
Webサイトの中には、たくさんの要素があります。
見出し、文章、写真、ボタン、アイコン、余白などです。
これらをどこに配置するのかによって、ユーザーが受け取る印象は大きく変わります。
例えば、同じ文章でも、
大きく見せるのか。
小さく補足として見せるのか。
写真と一緒に見せるのか。
ページの最初に置くのか。
最後に置くのか。
それだけで情報の重要度が変わります。
そのため、私は「なんとなくここに置く」ということをできるだけ避けるようにしています。
なぜここにこの情報があるのか。
なぜこの大きさなのか。
なぜこの余白なのか。
なぜこの順番なのか。
すべてに明確な理由を持たせる。
もちろん、デザインには感覚的な部分もあります。
ただ、感覚だけに頼るのではなく、目的や情報設計をベースにしてデザインを組み立てることを大切にしています。
写真や色、文字も「伝えるため」の要素
デザインを構成する要素には、それぞれ役割があります。
色はブランドやサービスの印象をつくります。
写真は、文章だけでは伝えにくい雰囲気や世界観を伝えます。
文字の大きさや太さは、情報の優先順位を伝えます。
余白は、情報を整理して見やすくします。
例えば、同じ「飲食店」のWebサイトでも、高級感を伝えたいのか、親しみやすさを伝えたいのかによって、選ぶ写真や色、文字の組み合わせは変わります。
だからこそ、流行っているデザインをそのまま取り入れるのではなく、そのWebサイトに必要な表現は何なのかを考えます。
「今っぽいデザインだから採用する」のではなく、
「この会社、このサービス、このユーザーにとって必要だから採用する。」
その視点を大切にしています。
PCだけではなく、スマートフォンでどう見えるか
現在のWebサイトでは、スマートフォンから閲覧されることも当たり前になっています。
そのため、PC画面でデザインがきれいに見えるだけでは不十分です。
スマートフォンでは、
- 文字が読みやすいか
- ボタンを押しやすいか
- 情報量が多すぎないか
- 写真が適切に見えるか
- ページが長くなりすぎていないか
- 重要な情報が埋もれていないか
といったことも考える必要があります。
PCとスマートフォンでは、単純に画面サイズが違うだけではありません。
ユーザーの見方そのものが変わります。
そのため、デザイン段階から実際の閲覧環境を想定し、レスポンシブ対応まで考えた設計を行います。
デザインとコーディングを別々に考えない
私自身、Webデザインだけではなく、コーディングやWordPressなどの実装にも携わっています。
そのため、デザインを作るときにも、「実際にWebサイトとしてどう実装されるのか」を意識しています。
Web上で実現することが難しいデザインを作ってしまえば、その後の制作工程で問題が発生します。
逆に、実装方法を理解しているからこそ、
「この表現なら実装できる」
「ここは別の方法にしたほうがユーザーにとって使いやすい」
といった判断もできます。
デザインだけを切り離して考えるのではなく、実際にWebサイトとして完成するところまでを考えてデザインする。
これは、Web制作に関わるうえで自分が大切にしている部分です。
デザインは一人で完成させるものではない
Webサイト制作では、ディレクター、デザイナー、コーダー、エンジニアなど、複数の人が関わることがあります。
そのため、デザインの意図を制作側へ正しく共有することも重要です。
なぜこの構成なのか。
なぜこの部分を強調しているのか。
どこが特に重要なのか。
どのような動きを想定しているのか。
こうした情報を共有することで、デザインをそのまま形にするだけではなく、意図を含めて実装することができます。
また、ディレクションから関わっている案件であれば、ヒアリングや企画の段階からデザインに関わることができます。
最初に聞いたクライアントの要望や課題を理解したうえでデザインできるため、制作途中から参加する場合とは違った視点で設計できることもあります。
「誰に、何を、どう伝えるか」
Webデザインで、私が常に意識しているのはこの3つです。
誰に伝えるのか。
何を伝えるのか。
どう伝えるのか。
この3つが整理できていれば、色やフォント、写真、レイアウトといった具体的なデザインを考えやすくなります。
逆に、ここが曖昧なまま「とりあえずおしゃれなサイトを作る」と、見た目はきれいでも、何を伝えたいサイトなのか分かりにくくなってしまうことがあります。
Webサイトは、作品として眺めてもらうためだけのものではありません。
その先には必ずユーザーがいて、何かを知ったり、比較したり、問い合わせたり、購入したり、行動したりします。
だからこそ、私は「見た目」だけではなく、そのデザインによってユーザーに何が伝わるのかを考えています。
Webサイトの目的から、一つひとつデザインする
Webデザインに正解は一つではありません。
業種も違えば、会社の規模も違い、サービスもユーザーも違います。
そのため、毎回同じデザインを当てはめるのではなく、その案件ごとに必要なものを考えます。
ヒアリングで情報を集める。
目的を整理する。
ターゲットを考える。
情報の優先順位を決める。
ページの構成を考える。
そして、その情報をユーザーに伝えるために、デザインとして形にしていく。
その積み重ねによって、一つのWebサイトが完成します。
私が目指しているのは、単に「きれいなWebサイト」ではありません。
見た目にもこだわりながら、目的があり、情報が整理され、ユーザーにきちんと伝わるWebサイト。
そして、公開されたあとも実際に使われ、役割を果たしていくWebサイトです。
デザインだけ、コーディングだけ、という一部分だけを見るのではなく、Webサイト全体を見ながら制作する。
それが、私がWebデザインで大切にしていることです。
Webサイトの新規制作やリニューアル、デザインについてのご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。