Webサイト制作の初回ヒアリングでは何を聞く?実際に確認していること
Webサイト制作の最初に行うことのひとつが、初回ヒアリングです。
これから作るWebサイトについて、クライアントからお話を伺う時間です。
「どんなサイトにしたいですか?」
「必要なページは何ですか?」
「参考にしたいサイトはありますか?」
こういったことを聞くのはもちろんですが、私の場合、初回ヒアリングではそれだけを聞いているわけではありません。
むしろ、最初に確認したいのは「何を作るか」よりも、「なぜ作るのか」という部分です。
Webサイトを作ること自体が目的になってしまうと、制作は進められても、公開したあとに「結局、このサイトで何をしたかったんだろう」という状態になってしまうことがあります。
だからこそ、最初の段階でできるだけ目的を整理しておきたいと考えています。
まず「なぜWebサイトを作るのか」を聞く
最初に確認するのは、Webサイトを作る理由です。
新しく会社を立ち上げたから作りたい。
今のサイトが古くなったからリニューアルしたい。
問い合わせを増やしたい。
採用に力を入れたい。
サービス内容をもっと分かりやすく伝えたい。
会社の信頼感を高めたい。
同じ「ホームページを作りたい」という相談でも、その背景はそれぞれ違います。
ここが違えば、当然ながら必要なページも、デザインも、コンテンツの見せ方も変わってきます。
そのため、「どんなサイトにしたいですか?」と聞く前に、「なぜ今回Webサイトを作るのか」をできるだけ理解するようにしています。
誰に見てもらうWebサイトなのか
次に考えるのが、Webサイトを見る人です。
たとえば、同じサービスを紹介するサイトでも、
・一般のお客様向けなのか
・法人のお客様向けなのか
・求職者向けなのか
・既存顧客向けなのか
によって、必要な情報は変わります。
私は、Webサイトは「作る側が見せたいもの」を並べるだけでは十分ではないと思っています。
実際にサイトを見る人が、どんな情報を必要としているのか。
何を知りたくてサイトを訪れるのか。
どこで迷う可能性があるのか。
そういったことを考えながら、ヒアリングの中でターゲットや利用者像を整理していきます。
今のWebサイトで困っていること
リニューアルの場合は、現在のWebサイトについても詳しく聞きます。
「何となく古いから」という相談でも、話を聞いていくと、
「スマートフォンで見づらい」
「必要な情報がどこにあるか分からない」
「更新しにくい」
「問い合わせにつながらない」
「サービス内容が伝わりにくい」
など、具体的な問題が見えてくることがあります。
ここは個人的にかなり大切にしている部分です。
単純に「今のサイトを新しくする」のではなく、現在感じている問題を整理して、それを新しいサイトでどう改善するのか。
そこまで考えてから制作に入ったほうが、リニューアルする意味があると思っています。
Webサイトを見た人に、何をしてほしいのか
もうひとつ確認したいのが、Webサイトを見た人に最終的に何をしてほしいのかということです。
お問い合わせをしてほしいのか。
電話をしてほしいのか。
予約をしてほしいのか。
資料をダウンロードしてほしいのか。
採用に応募してほしいのか。
店舗に来てほしいのか。
もちろん、Webサイトを見てもらうだけで目的が達成されるケースもあります。
ただ、企業や店舗のWebサイトの場合、「見てもらう」だけではなく、その先に何かしらの行動があることも多いです。
そのため、初回ヒアリングでは「このサイトを見た人に、最終的にどうしてほしいですか?」というところまで確認するようにしています。
サービスや商品のことも、改めて聞く
Web制作の打ち合わせだからといって、最初からWebの話ばかりするわけではありません。
むしろ、クライアントのサービスや事業について理解することが重要だと思っています。
どんなサービスなのか。
どんな強みがあるのか。
競合と比べて何が違うのか。
どんなお客様が多いのか。
実際の現場ではどんなことを大切にしているのか。
こういった話を聞いていくと、Webサイトに掲載するべき情報が見えてくることがあります。
打ち合わせをしていると、クライアント側では当たり前だと思っていたことが、実はWebサイトを見る人にとって大きな魅力だった、ということもあります。
だからこそ、制作側が最初から「Webサイトに必要な情報」を決めつけすぎないことも大切だと考えています。
社内で誰が確認・更新するのか
制作そのものだけではなく、公開後のことも初回の段階で確認します。
誰がWebサイトを更新するのか。
どのくらいの頻度で更新するのか。
ブログやお知らせを運用するのか。
写真や文章は誰が用意するのか。
公開後にどんな変更が発生しそうなのか。
こういった部分によって、WordPressなどのCMSをどのように構築するかも変わってきます。
「公開できれば完成」という考え方ではなく、公開したあとに実際に使う人のことまで考えて、最初から設計しておきたいと思っています。
デザインの好みも聞く
もちろん、デザインについても確認します。
好きな雰囲気や色。
参考にしたいWebサイト。
逆に避けたいデザイン。
写真を大きく見せたいのか、情報を分かりやすく整理したいのか。
高級感を出したいのか、親しみやすさを出したいのか。
ただ、ここでも「好きなデザイン」だけで決めることはありません。
参考サイトをそのまま真似するのではなく、
「なぜこのサイトが良いと思ったのか」
「どの部分が自社に合いそうなのか」
まで考えるようにしています。
デザインには、その会社やサービスに合わせた理由が必要だと思っているからです。
すべてを最初から決める必要はない
初回ヒアリングですべての答えを出す必要もないと思っています。
話をしているうちに新しい課題が出てくることもありますし、最初はクライアント自身も整理できていないことがあります。
だからこそ、初回ヒアリングは「情報を聞き出す場」というより、「一緒に整理する場」に近い感覚があります。
こちらから質問をして、いただいた回答を整理して、必要であればさらに質問する。
そうやって少しずつ、
「今回のWebサイトでは何を実現したいのか」
「誰に何を伝えるのか」
「そのために何が必要なのか」
を明確にしていきます。
ヒアリングは、その後の制作すべてにつながっている
初回ヒアリングで聞いた内容は、その場だけで終わるものではありません。
その後のサイト構成、ワイヤーフレーム、デザイン、コーディング、WordPressの構築、公開前の確認までつながっていきます。
だから私は、初回ヒアリングをWeb制作の単なる「最初の打ち合わせ」ではなく、サイトの方向性を決めるための重要な工程だと考えています。
最初に目的や課題をきちんと整理できていれば、その後の制作でも判断しやすくなります。
逆に、ここが曖昧なまま進んでしまうと、途中で「思っていたものと違う」というズレが起こりやすくなります。
Webサイトを作る前に、まず話をする
Webサイト制作というと、デザインやコーディングといった「作る工程」に目が向きやすいと思います。
私自身、デザインやコーディングも好きですし、WordPressの構築まで含めて制作しています。
ただ、良いWebサイトを作るためには、その前段階である「話をすること」がかなり重要だと思っています。
何のために作るのか。
誰に届けるのか。
何を伝えるのか。
見た人にどうしてほしいのか。
今、何に困っているのか。
公開したあと、どう使っていくのか。
こういったことを一つずつ整理していく。
その積み重ねが、最終的なWebサイトの形につながっていきます。
だからこそ私は、初回ヒアリングを「要望を聞く時間」だけではなく、クライアントと一緒にWebサイトの方向性を見つけていく時間だと考えています。
Webサイトを作ることが目的ではなく、そのWebサイトで何を実現したいのか。
そこから考えていくことを、これからも大切にしていきたいと思っています。